四條畷学園短期大学

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2019/7/1
学長ブログ

2019年7月号 ~忘れられないワイン~

人気バラエティ番組である「芸能人格付けチェック」は、普段あまりTVを見ない私が、最も楽しみにしている放送である。ワインや食べ物、音学、その他の様々なジャンルからの問題が出され、「高級品」と「普通か安物」を見分ける能力を競う番組である。出演者の1人のGACKT氏が、丸10年にわたって前人未踏の個人58連勝を遂げて、今年も幕が開いた。
 驚かされるのは、超高級ワインやステーキ、ストラディバリウスなどの名器の音を、間違うことなく感じられる(区別できる)、その力である。ヒトの味覚や聴覚などの五感を感じる「感覚受容器」は遺伝的に規定されているが、五感の各々は、さらに習練や学習、経験で磨かれる。GACKT氏は少なくとも味・聴・視・嗅覚において、その持って生まれた才能を基盤に、多くの学修を行ったに違いないはずで、自称ワイン好きの私には羨望というか、まさに仰ぎ見るすごい存在である。
 さて私はワイン好きであるが、ワインの味がわかるわけではなく、ただ、たくさん飲むワイン好きである。ある時、何度か通っていた大阪北区のレストランで、何を思ったかソムリエが、「これを試してみてください」とグラスでワインを追加してくれた。私は、なかなか良いボルドーのワインとは思ったが、テイスティング後に蘊蓄は傾けず大阪人らしく?「まずまずだけど、まあ上代3500円ぐらいのワインだね」と言ってしまった。赤面したのはそのあとで、ソムリエが持ってきてくれたボトルのエチケット(ラベル)を見ると、それは名だたるボルドーのメドック格付け第1級シャトーのものであった。
 ワイン好き(何でもたくさん飲むのが好き)の私には、あと何本か忘れられないワインがある。その一つが「シャトー・コス・デストゥルネル」。最初の出会いは40歳頃で、ある時、京都でセミナーをさせて頂いた後に、医学者で歌人でもある京大の教授(当時)に振る舞って頂いた。高名な先生に飲ませてもらったので、ワインを味わうどころではなく、その銘柄のみが記憶に残った。その2週後、週末にたまたま連れ合いと食事に出かけた際に、ワインリストに同じコス・デストゥルネルの1971年(当時は大変に安かった)を見つけて注文した。初めてじっくり時間をかけてワインを味わい(飲み)、そのアロマとブーケにノックアウトされてしまった。以来、大切な機会があるたびに、このコス・デストゥルネルを買い求めるようになった。しかしここ10年あまりは価格の高騰もあり、私には手が出なくなってしまい残念な思いをしている。最近は本来のワイン好き(たくさん飲むのが好き)として、とにかくいろいろ楽しむことにしているが、そろそろ肝機能障害やメタボが気になりはじめている。
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