四條畷学園短期大学

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2018/8/1
んぐまーま

2018年8月号 保育学科 ~夏の香り~

夏休みといえば毎日朝寝坊できることが最大の楽しみという小学生だった私のもとに、同級生のみどりちゃんが「あーそーぼ」とやってきた。時計を見るとまだ9時ではないか。

半分寝ぼけまなこで出ていくと、この暑い中、外に遊びに行こうという。みどりちゃんとはそう仲良しではなかったけれど、つきあうことにした。

連れて行かれたのは草の生い茂る裏山で、松の防砂林の間を吹きぬける風があり、思いのほか涼しい。みどりちゃんは草笛のつくり方や野イチゴが食べられることを教えてくれた。草むらの中、バッタを追いかけた。裏山の斜面をダンボール板にのって何度も何度も滑った。

その夜、お風呂につかりながら「あー、今日は子どもらしい遊びをたくさんしたなあ」と思った。

どこまでも野放図に伸びていく夏の草を見ると、真っ黒に日焼けしたみどりちゃんの顔と、あの日裏山に吹いていた風の匂いを思い出すのです。

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